「あなたはずっとお母さんのそばにいてくれてありがとう」
登場人物(仮名)
仮名 黒川ひとみ(くろかわ ひとみ):38歳。スエルテ東京セラピスト。母の介護で離職し、数年後に再出発。
「あなたはずっとお母さんのそばにいてくれてありがとう」──母が亡くなる直前にそう言ってくれた言葉が、今でも私の支えです。
私はかつて、都内の中堅メーカーに勤める会社員でした。けれど、母が倒れて介護が必要になったとき、迷わず退職を選びました。
最初のうちは、何の迷いもなかったんです。母に恩返しがしたいという気持ちが強かったから。でも、介護の現実は、想像をはるかに超えて厳しいものでした。
収入がない日々、社会から孤立するような感覚、自分が“何者でもない”と感じる苦しさ。それでも私は、母のために笑っていようと決めていました。
ひとりになって気づいた「私の人生」
母を看取ったあと、ぽっかりと空いた時間と心に、途方もない喪失感が広がりました。何かしなきゃ。でも、何をどう始めたらいいのか分からない。
そんなとき、偶然見つけたのが「スエルテ東京」の求人サイトでした。
正直、最初は抵抗がありました。年齢のこと、ブランクのこと、そして「メンズエステ」という業種への偏見。でも、読み進めるうちに、「心に寄り添う癒しの仕事」という言葉が心に響いたんです。
「癒す」ということの意味
研修の日々は、まさに“再スタート”。技術だけでなく、接客の心、丁寧な言葉づかい、そして“心を込める”ことを教えてもらいました。
初めてのお客様は50代の男性。「最近、誰とも話さなくて…」とぽつりと漏らしたその言葉に、自分の介護の日々が重なりました。
私がそばにいることで、誰かがほっとできる。温もりや言葉が、その人の孤独を溶かしていく──その瞬間に立ち会えることが、こんなにも尊いものだとは思いませんでした。
「自分を守る」ことが、「家族を守る」ことにつながる
この仕事を通して、私はようやく「自分の人生」を取り戻せた気がしています。
母が生きていたら、きっとこう言ってくれたと思うんです。「あんた、ちゃんと笑ってるね」って。
今は、スエルテ東京での仕事を通して得た収入で、妹の子どもの学費の一部を援助したりもしています。働くことは、誰かの役に立つこと。そして、自分自身を満たしてくれるものでもある。
もう一度、胸を張って「私も社会の一員です」と言えることが、何より嬉しい。
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家族を支える力を、今度は自分の手で。
