毎日、誰とも話さず、誰にも触れずに終わる──。そんな日々を過ごしていた。気づけば、笑うことも、泣くこともなくなっていた。

僕は42歳、都内のIT企業で働くシステムエンジニア。仕事は多忙を極めるが、在宅勤務が続き、人との接触は最低限。誰かと軽く交わす挨拶すらない日も珍しくなかった。

そんな生活に慣れてしまったのか、いや、諦めてしまっていたのかもしれない。

夜、ベッドに横たわってもなかなか眠れず、朝が来るのがただ怖い。「自分のことを、誰かが必要としてくれることなんて、あるのだろうか」そんな問いが、心の奥に沈殿していた。

出会いのきっかけ──スエルテ東京

ある日、たまたまSNSで見かけた広告が目に留まった。

『スエルテ東京｜出張メンズエステ』

“癒し”という言葉が、久しぶりに胸に刺さった。

最初は正直、半信半疑だった。「マッサージを受けたくらいで、何かが変わるとは思えない」でも、予約ページに書かれていた「心をほどく、寄り添いの時間」というコピーに、どこか救われた気がした。

LINEで簡単に予約できた。セラピストのプロフィールを見て、直感的に「この人なら…」と思った。その人の名前は、相沢れい。

施術の時間が教えてくれたこと

指定した時間に、チャイムが鳴った。ドアを開けた瞬間、柔らかい笑顔の女性が立っていた。「こんばんは、相沢れいです。今日はよろしくお願いしますね」その一言だけで、安心感が胸に広がっていくのを感じた。

施術前のカウンセリングも丁寧だった。仕事の話、体の悩み、そして…少しだけ心の話もした。「ご自身のこと、大事にできてますか？」そう聞かれた時、答えられなかった。

オイルマッサージが始まると、何かが解けていくようだった。彼女の手は、ただ筋肉をほぐすだけじゃない。体温がじんわりと伝わる。

「触れられて、安心する」そんな感覚を、どれくらい忘れていたんだろう。うつ伏せのまま、涙がこぼれそうになった。

優しい声と、あたたかな手。それだけで、自分がまだ“人間”でいられると感じた。

癒しは贅沢ではない、自分を取り戻す時間

施術が終わったあとの空間が、また静かで優しかった。「人に触れてもらうって、こんなにも心が軽くなるんですね」思わずそうつぶやくと、れいさんは微笑んで頷いた。

それから、僕は月に一度、自分を癒す時間を作るようになった。れいさんだけでなく、スエルテ東京の他のセラピストの方も、それぞれの温かさと誠意で寄り添ってくれた。

“メンズエステ”というと、誤解されやすいかもしれない。でもここには、本物の癒しがあった。ただ体をほぐすのではなく、心の深いところまで手が届くような優しさがある。

今では眠れるようになった。仕事も、少しずつ楽しめるようになった。そして何より──「また人とつながってみたい」と思えるようになった。